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●体は侵入者に対して多くの防御手段を用意しています。
●防御策は生まれながらに備えている場合も、特異的な反応である場合もあります。
●完全な免疫応答が起こるまでには時間がかかります。
犬の免疫系の役割は、病気の原因となるウイルス、細菌、真菌、マイコプラズマなど(病原体)を認識し、侵入を抑え、破壊すること、また癌のように体内で起こった危機に対処することです。
免疫機能には、生まれながらに備わっている全般的な防御策と、特殊な病原体に対して作られた特効薬のような、きわめて特異的なものがあります。
生来の防御機構
免疫系のもっとも大きな要素は皮膚です。皮膚は損傷を受けていない限りは、ほとんどの病原体の侵入を効率的に防御することができます。体の開口部や体内の通路からの侵入を企てる病原体は、粘液中に含まれるさまざまな酵素に出合います。また、消化管に達した病原体は非常にきびしい化学的環境に直面します。たとえば胃の中には致死的な塩酸やタンパク分解酵素が含まれています。また、多くの細菌は小腸に分泌される胆汁酵によって死滅してしまいます。
体外、体内の表面をなんとか通過できた病原体は、さらに生来備わっているバリアに直面します。補体タンパクと呼ばれる血液中の化学物質が、侵入した細菌に付着し細菌を破壊します。食細胞と呼ばれる特殊な白血球は、体外から入った分子、細胞、ウイルスを飲み込み、消化します。一方、インターフェロンと呼ばれる化学物質は、周辺の細胞の同じあるいは異なるウイルスの感染に対する抵抗力を高めます。
特異的な防御機構
1ミリリットルの血液には、血液を運搬する赤血球が約500万個、また白血球が約10万個含まれています。白血球は生体の侵入者に対する特異的な反応にかかわっています。
T細胞、B細胞と呼ばれる2つの異なるタイプの白血球が、2つの異なる免疫応答に介在しています。このような2タイプの免疫応答は同時に起こり、侵入した病原体を破壊します。
免疫応答
B細胞は、侵入者、たとえば細菌の表面にあるタンパク質(抗原)を認識することによってはたらきます。それぞれのB細胞が「認識」できる抗原は1種類だけですが、成熟した犬の体内には非常に多くの数のB細胞が存在します。したがって、B細胞は犬が出合うほとんどすべての侵入者に対応することができます。B細胞は、「自分の」抗原を認識すると速やかに分裂し、そのクローンが抗体、すなわち特定の抗原のみに結合するタンパク質の産生を開始します。抗体は細菌を見つけ出し、結合します。細菌はその過程で破壊されます。T細胞は少し異なった方法で、突然変異を起こした細胞や、ウイルスに感染した細胞を破壊します。
免疫と成熟
免疫が成立するまでには時間がかかりますが、一時的な免疫が、初乳を通じて母犬から子犬に伝えられます。誕生時の子犬の腸管は透過性が高いため、母犬の抗体はそこから吸収され、血流に入ります。子犬はこうして病原体の侵入から守られています。初乳の抗体価は、子犬が生後10~12週になると低いレベルまで低下するため、この時期に最初の予防接種をする必要があります。
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